【TK診療室 5】「にじのくに」での勉強会

こちらTK診療室

 

「にじのくに」での勉強会でお話をしてきました。

 

平成31年4月6日(土曜日)に「にじのくに」( https://nijinokuni-ngs.amebaownd.com/ )での勉強会で話をしてきました。長崎市の方や様々な支援センターの方々などお出でになっていました。基本的に考えないといけないことは大きく変わりません。以前、バンビの会の勉強会でお話ししたものをリニューアルして資料を作成し、1時間半程度自由に話しました。資料を示します。また、9月のダウン症候群トータル医療ケア・フォーラムのアナウンスもしてきました。様々な人が一緒に考えてくれることを願っております。

 

多様なニーズに対応する -先天異常児・者のトータルケア-

にじのくに勉強会 2019年4月6日

みさかえの園総合発達医療福祉センターむつみの家

近藤達郎

 

先天異常を持つ方々のトータルケアを考える上で、横断的・縦断的な観点で検討する必要がある。横断的な観点とは、その時期においての医学・療育・教育・福祉などとの連携を意味し、この場合にもトータルケアという言い方をし、連携が重要である。縦断的というのは、成長に伴って問題点も変化していくがそれに対しての対応を示しており、医療の現場で言うとトランジションの問題などがあたる。つまり、先天異常を持つ方を横断的・縦断的にという意味で立体的な全体像を俯瞰し、それぞれの専門家が自分の立場を理解して次につないでいくことが重要と思われる。

先天異常を持つ子が生まれた際の世間の認識として、少なからずの地域社会の人々はそのような方と接した経験が薄く、現在の競争社会での自分の経験や育った環境などから漠然とハンディを負うこと、負っている方々の人生が順調でないとの思いがあるのではと思われる。

今回、ハンディを持っている方について出生前、新生時期から乳児期、幼児期、学童期、青年期、成人期、老年期に渡ってどのような人生を送られているのかの概略を示した図1を参考にしつつ、これまでの診療経験からの私見を含めて概説する。

ハンディを負うということに対する世間の認識と現在行っていること

先天的または後天的にハンディを負うことに対しての世間の認識はどうでああろうか?妊娠中のマーカー試験、胎児エコー検査、NIPT(Noninvasive prenatal genetic testing;母体血胎児染色体検査)や羊水検査を含む出生前診断が存在することから、必ずしも好意的に受け取られていない現状があると思われる。

「ソーシャル・インクルージョン(社会的包摂;誰もが受け入れられる社会)」は、民族やジェンダー、障がい、その他様々な要因で起こる個人への差別に対処するだけではなく、構造的な差別をなくすために取り組んでいくべきものである。この考えを推進していくものとして、障がい者権利条約がある。障がい者権利条約は,障がい者の人権及び基本的自由の享有を確保し,障がい者の固有の尊厳の尊重を促進することを目的として,障害者の権利の実現のための措置等について定める条約で、その主な内容としては,(1)一般原則(障がい者の尊厳,自律及び自立の尊重,無差別,社会への完全かつ効果的な参加及び包容等),(2)一般的義務(合理的配慮の実施を怠ることを含め,障がいに基づくいかなる差別もなしに,すべての障がい者のあらゆる人権及び基本的自由を完全に実現することを確保し,及び促進すること等),(3)障がい者の権利実現のための措置(身体の自由,拷問の禁止,表現の自由等の自由権的権利及び教育,労働等の社会権的権利について締約国がとるべき措置等を規定。社会権的権利の実現については漸進的に達成することを許容),(4)条約の実施のための仕組み(条約の実施及び監視のための国内の枠組みの設置。障がい者の権利に関する委員会における各締約国からの報告の検討)となっている。障害者権利条約は,平成18年12月13日に国連総会において採択され,平成20年5月3日に発効した。我が国は平成19年9月28日に,高村正彦外務大臣(当時)がこの条約に署名し,平成26年1月20日に,批准書を寄託した。また,同年2月19日に同条約は我が国について効力を発生した。平成28年4月に新たな障害者雇用促進法が施行された。このように国の政策として障がい者に配慮する方向に進んでいる。

道徳高い社会、誰にでも優しい社会を作るためにはどうしたら良いだろうか?ハンディを持つ方々のことを地域社会の方々に知ってもらう必要がある。多くのハンディを持つ方々は大きな合併疾患なく医療機関にさほど関係を深く持つ必要がない方々もおられるのではないかと思われる。社会との接点を深く持つために、地域社会に普通に入り込める環境作りとともににハンディを持つ方々の良い点を発信することも意義がある。私は診療を行っている立場から様々なハンディをお持ちの方々の中でも、多分多数派ではない非常に心配ごとが大きい方々・ご家族への支援を行っている。

特に遺伝性疾患でお悩みの方が自身の状況をよく理解し、今後の方向性を考えるのを支援するために、遺伝カウンセリングを含めた遺伝サービスシステムがある。長崎県では長崎大学病院遺伝カウンセリング室を中心に平成12年4月より本格的に動いている。

みさかえの園総合発達医療福祉センターむつみの家では「総合発達外来」で年齢、疾患特性に関係なく多くの患者の診療にあたっている。ハンディを負われている方がどのような疾患特性であろうと年齢に関係なく来院でき、少なくとも窓口になることを理念的に目的として、平成19年6月から始まり、新設移転した平成20年より本格的に始動した。かなり込み入った内容を含むことが少なくないため、ある程度の方向性を決定するために、初診では2-3時間かけることもある。長崎県全域のみならず、佐賀県、福岡県などかなり遠方から来院される方も少なくない中で、最近強く感じることがある。それは、特に診断や医療、福祉、地域社会とのつながりを作る上で齟齬を感じたのか、孤立せざるを得ない状況になって患者本人と家族のみで奮闘されている状況の方々がおられることが分かってきた。患者・家族にとっては何らかのつながりを持っておくこと、彼らを取り巻く地域社会の私どもにとっては優しい社会を作っていくためにどうしたら良いかを考えていくことが極めて重要と思われる。家族会の存在も意義深いと思われる。長崎県にはダウン症者・家族が中心になっている染色体障害児・者を支える会(バンビの会;https://banbinokai.com/ )があり、著者は平成12年より会長を拝命している。本会は家族会ではあるが、昭和63年に様々な専門家が入り込んだ連絡互助会的な役割を持つことも目的として開設され、これまで5名の会長の内、4名は医師である。このことも関係してか、医療と患者・家族の信頼関係が保ちやすく、ダウン症候群を中心に様々な検討が患者・家族と一緒になされている。

出生前の問題

多くのハンディをもつ方々がハツラツとした人生を送られているということを、地域社会の中でどれくらい理解されているのかは考慮すべき問題と思われる。例えば21トリソミー(ダウン症候群)と出生前に判明した際の問題点を挙げると、根本的なこととして21トリソミーを持つ方々の中でも多様性が大きいことが挙げられる。つまり出生前診断にて21トリソミーであることは判明するが、その胎児の状況、出生した際に今後どのように育っていくかの状況は不明である。そのため、ひとくくりで「ダウン症候群とは?」という感じで話が進むし、社会的に多様性を認め合うべきところが未だ完全でない中で、どうしたら良いのかを家族は決定しないといけない。妊婦を中心に家族の支援とともに、この時期に関わる医師、看護師や周りの方々がどれくらい深い認識を持って関わっているのかも重要と思われる。家族の思いだけで解決できる問題のみでなく、地域社会への働きかけも重要である。この領域は、そもそも完全で万人が認める正解というものが現在も今後も存在しないと思われ、そのため個々が試行錯誤的に対応する状況が継続されると推察される。以前、長崎県内の保健師、染色体異常家族会(バンビの会)家族、通常の保育園の家族に出生前診断についての思いを調査したことがある(表1)。保健師、家族会家族は、出生前診断について前向き(容認)と後向き(消極)が拮抗、一般の家族は前向きな方が多かった。おそらく、分かるものは調べて、その上で現状を踏まえて家族内で決定していくという風潮が強いのかも知れない。しかし、その決定に大きな影響を与える現状と言うものが変更する余地がないのかどうか検討する必要があると思われる。このこともあり、長崎大学小児科とバンビの会が共催で平成18年より毎年継続して開催しているダウン症候群トータル医療ケア・フォーラムの第6回(平成24年12月2日開催)で「ハンディを負った方々が地域社会で幸せに生活するために」をテーマにして開催した。

妊婦の血液中に混在している胎児DNAを検査するNIPTが行われている。陽性的中率、陰性的中率から胎児の染色体の過不足の可能性を判定するもので、必要に応じて羊水検査などの確定検査を検討することになっている。非侵襲(non- invasive)というものの、NIPTの後には結局は羊水検査など侵襲的検査が控えているので、非侵襲という言葉にも問題があるとの意見もある。科学や医学は進歩するが、それをどのように利用するべきか、いろいろなことを考えていくべきと思われる。そのためには、様々な分野の専門家が集まって生命倫理的な討論をすることも意義深いと思われる。日本の社会をより良くするためには、様々な考えの専門家や当事者が風通し良く話し合うことができ、地域社会でも普通に様々な話ができる環境が重要かも知れない。

出生後の問題

ハンディをもって生まれてきた際に、ファースト・タッチ(そのお子様に初めて携わる)の医師は、産科医(産科婦人科医)や小児科医と思われる。その際に告知や遺伝カウンセリングなどを行う際に、様々な資料を用いて疾患説明や疾患についてのフォローについてはもちろんであるが、折角授かった命を大切にして本人がより元気に人生を送り、両親を含め家族にとってもより良い人生を送られることに前向きになるように支援していくことが重要と思われる18)19)20)

多くのハンディを持ったお子様が誕生した際に、もろ手を挙げて祝福に満たされた雰囲気の中に出生直後からいる場合は多くないかも知れない。本来、折角授かった命を祝ってあげるべきと思っている方々は多いと思われるが、それを打ち消す何かがあるのだろうと感じる。その根源的なところをより良いものにするためには、少なくとも様々な考え方を認め合える状況になれば変わってくるかも知れない。先ずは、家族で心の健康を保つことが重要である。生命保険加入や学資保険加入に関してはスムーズに行かないこともあるが最近は改善されてきている。また、特別児童扶養手当や障害児福祉手当、療育手帳、身体障害者手帳などの申請も検討される。

ハンディをもって生まれる子の存在意義は、ダウン症候群者を例にすると大きく分けて2つあると思われる。1つは、本人自身の自己肯定感が高いことである。ダウン症者にアンケートをとったところ約90%で自分が幸せと答えたという結果が出ている21)。環境にもよるのかも知れないが、健やかに人生を送る素地は十分にあると思われる。もう1つは、周囲の状況を感じる力が強いため、周囲を穏やかにさせる力が強いことである。地域社会を含めて彼らの取り巻く環境にとってはどうであろうか?多分、多くの方々を優しい気持ちにさせ、道徳高い社会形成に一役を担ってくれていると感じる。道徳高い社会形成には地域社会の方々自身の研鑽も重要である。

医療介入が必要なお子様については、今は医療的対応の違いに大差がないと思われる。重篤な心臓の手術などは専門性の高いところで行われることもある。手術や治療が全て万能ではないので、利点欠点を主治医とよく考えて対応を検討していくことが重要と思われる。

リハビリを含めての療育も重要とされている。療育はその子の能力を最大限活かすことに寄与する一方、家族にとっては他の家族との話をすることによって様々な情報共有や家族の精神的な安定にも寄与するなども意義があるのだと思われる。保育園、幼稚園、こども園などでの集団保育も大切である。

就学前の年長の時期に教育委員会などと進学の方向性についての検討が始まるが、選択に苦慮することもある。通常学級、支援学級、支援学校、訪問教育の教育体系があるが、インクルーシブ教育(人間の多様性の尊重等の強化、障がい者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするとの目的の下、障がいのある者と障がいのない者が共に学ぶ仕組みであり、障がいのある者が「general education system」から排除されないこと、自己の生活する地域において初等中等教育の機会が与えられること、個人に必要な「合理的配慮」が提供される等が必要とされている)の考えが影響を与えている。学校の特殊教育に関する考え、通学手段、放課後ディ・サービスの利用など検討すべきことが多い。

小学校以降の義務教育期間

様々な合併症をもつ児も医療的に処置的な対応が一段落し、感染症にも抵抗力がつき、入退院を繰り返す頻度が減ってくることが期待される。先天性心疾患やけいれん発作、難聴、眼科疾患、甲状腺機能異常症など継続的な医療が必要な児以外は、病院から遠ざかる傾向があるかも知れない。それ以外の児は感冒など通常の診療や特別児童扶養手当など福祉手続きで病院にいくのみになることもある。リハビリの継続については、就学後は授業との兼ね合いやリハビリ施設のキャパシティーの問題などで場合によっては変更が出てくると思われる。学校生活では他の生徒などとの折り合いの悪さが原因となり問題を生じることもある。精神的な問題について発達症に準じた診療が必要なこともある。通常小学校に通っている児は中学校の選択を考慮する必要がある。また中学生になると性教育を含めての性の問題にも目を向けないといけなくなる。性教育には、月経の際の処置やマスターベーションの行い方など直接的なものとプライベートゾーンについての認識や異性との距離感、みんなの場所と自分の場所の区別など社会的な教育が含まれる22)。性教育は考え方や行い方が一定している訳ではなく、家庭によって考え方に温度差もあり、どのように進めていくか苦慮することが多い。中学3年になると高等部に進学するか、就職などに向かうかを考慮する必要がある。障がいの種類によって必要な配慮が異なるし、具体的な策を講じることも重要である。

高等部教育期間

最近、ほとんどの障がい者は高等部(多くは支援学校)に進学している。就労支援施設など卒業後の日中活動するところを見学したり、実体験することなどが授業の一環としてある。高等部進学については、ハツラツと学べるところを選ぶことが重要と思われる。実際に診療をしていて、この時期の体験はものすごく強い印象を持っているように感じる(学校で良い経験をたくさんさせてもらっているのかも知れない)。卒業後、特に福祉サービスを利用する方は、18歳の誕生日前後に障害者自立支援法の区分申請を行う。市町村の職員との面談と医師意見書があわさって1-6のどの区分になるか決定される。6が最も重度で、福祉サービス量が大きい。高等部は身体的に病院に通う状況は少なく、健康的な場合が多い。その中でも疾患特異的に注意すべき合併症については病院で確認する必要がある。福祉手続などで病院に通院した際などを利用して検討すると良いかも知れない。

卒業に向けて、就労の場を検討する必要がある。本人の状況によって、一般就労、一般就労の障害者雇用、A型就労、B型就労、生活介護などがあるが、職場までの送迎をどうするかなど併せて検討される必要がある。

高等部卒業以降

大学など進学する人以外は、卒業後は就労し自宅から職場に向かう生活になることが多い。これまでの学校生活から大きく生活環境が異なる。このような環境の大きな変化で心身上の問題を生じることがある。福祉的には20歳の誕生日前後に、それまで特別児童扶養手当ての代わりとして、障害基礎年金申請がある。この書類は生活基盤になりえるもので重要であるが、本児がこれまでにかかった病院の期間、診療内容などを家族が記載しないといけないので、これからの申請の方は事前に準備をするとスムーズと思われる。その他、生活習慣病を含め、成人発症の疾患に注意を要することがある。就労施設での健康診断が行われるところもあるが、本人の拒否感が強く検査ができにくいこともある。その場合にでも定期的な健康診断は重要である。疾患特性から注意するべき合併症が異なることもあるので基礎疾患を考慮した健康管理プログラムは必要である。

早い方で高等部位から、多くは20歳(18歳)を過ぎると、小児科から内科など医療機関の変更を考慮せざるを得ない状況になる。いつまで小児科にかかれるかという問題、内科の先生にスムーズに移行できるのかの問題、総合病院など入院が可能な医療機関での入院診療科の問題など、ここで医療的に問題が生じることがある。小児期に入院が必要な場合には家族が一緒の場合が多いが、成人すると家族が一緒にという環境が整っていないこともあるし、不安が強く診療を拒否したりして一人で入院することが難しいことがある。このような時に具体的にどうしたら良いかを事前に検討していく必要もある。近くの開業主治医の存在は大切で、その中でも入院施設を持っているところがあれば心強いと思われる。

30歳代-40歳代

日常生活能力の年齢別変化は加齢と伴に顕著になる。ダウン症候群を例に見ていくと、歩行、走行などの移動運動は50歳まで比較的保たれるが、言語コミュニケーション、日常生活能力の低下は30歳、50歳の時期に低下をきたしやすい傾向がある。また、ダウン症候群自然歴調査によると、30-34歳位から自宅で生活している方と施設、グループホームなどへ生活場所を移している方々が半々になってくる。いつまでも自宅で生活ができる状況にならないということも念頭においていく必要もある。老化に伴い、様々な医療的ケアの必要性が増してくることもあり、医療機関との連携が必要なこともある。この時期になると、多くは小児科から外れていると思われるが、そうかといってトータルで診療をしてくれるところがあるのかなど、医療面での悩みが出てくるかも知れない。やはり、近くのホームドクターの存在は大切と思われる。

50歳代以降

おそらくご両親は80歳位以上になり、ご両親自身の健康管理で手いっぱいの状況になられるのではと推察される。自宅で生活されているハンディをおわれている方の数は減少し、グループホームや施設に入っておられる方が多い。基礎疾患によっては平均寿命が我が国の平均より低いこともある。患者が重篤な状況や手術が必要など医療に関しての同意が必要な際には家族等が主体的に対応を求められる。第三者後見人のあり方も含め、家族等が対応が難しい際の具体的な対応の行い方について更なる検討が必要である。健康管理に留意しつつ、温かい雰囲気で生活をされることが重要と思われる。現在はまだ、65歳未満の障害福祉課での福祉と65歳以上の健康福祉部高齢者支援課での福祉で管轄が異なることから問題もあるが、これを併せて親と子ども同じ施設に入所できる方向も検討されてきているようである。

おわりに

それぞれの時期において横断的に様々な専門家の連携の必要性が出てくる。時期が変わってくると当然専門家の領域や役割も少しずつ変化を来す。各時期においてその連携の中心となるべき人の存在が極めて重要である。家族しかそれを担っている人がいないということもあり得るのではと憂慮する次第である。最も長くその方のことを考えている家族などの心身の健康も本人と同じくらい配慮される必要があると思われる。整理も含めて何かの役に立つことができればという立場から「あしあと(人生ノート)」を作成した。多くの方にご利用していただくことを願っている。

ダウン症候群を持つ方のご家族に「医療に何を期待するか?」というアンケート調査を行った。結果は図2に示すが、これまで元気にされていたダウン症者のQOLが急激に低下する急激退行様症状に対しての対策が最も重要で、精神的安定性と診療連携が次いでいた。

道徳高い社会、誰にでも優しい社会を作るためにはどうしたら良いだろうか?ハンディを持つ方々の良い点も含め地域社会の方々に知ってもらうことと、「私がその立場だったら」「私の家族がそのような状況であったら」など相手への想像力は重要と思われる。自分なりの「常識」「普通」「正常」「人生のまともな送り方」などは当然あるが、それが「自分なり」のものであるかも知れないということを認識することも重要である。色々な考えの方々と話をして、更に自分の考え方に幅を持たせることは、優しい地域社会の形成には不可欠である。ハンディを持つ方々及びそのご家族が様々なことを考えざるを得ない環境にあることそのものは、人生において、決して不利益なものでなく、むしろ、充実した人生を送る上で重要ではないかと思われる。多くの方々が幸せな人生を送られること、その土台になる、より優しい地域社会が作られることを心より願う次第である。  図表はこちら⇒5. 図表

 

2019年5月12日