排尿機能検査について

 ダウン症候群では、これまでに先天性心臓病などの様々な合併症についての報告があり、それに基づいての健康管理を行っています。
その中には、腎臓病や膀胱機能のことについてはこれまでにあまり知られてはいません。
しかし、実際にダウン症候群患者様の診察を行ってみると、尿回数が他の人と比し、少ないということはよく経験しますしその後、頻尿になり、調べてみると排尿後にも膀胱に尿が残っていること(残尿)がわかった患者様も少なくありません。
尿回数が少ないとこは、介護する方から言えば、非常に介護しずらいということはなく、そのため放置されやすい傾向にあります。
しかし長期的には、腎・膀胱の働きに悪影響を与える怖れもあります。
したがって、ダウン症候群の方々の平均寿命が高くなり、地域社会の中で生活してくようになった現在、この問題は重要な意味を持ってまいります。

今回の研究は、
(1)ダウン症候群では排尿障害を起こしやすいかどうか
(2)何か排尿障害を起こしやすい危険因子が存在するのか
(3)必要があれば、排尿管理ガイドラインを作成すること
を、目的としています。