バンビの会の会員の皆様に
バンビの会の会員の皆様に
ー是非、なんでも相談できる主治医を見つけておきましょうー
皆様、こんにちは。近藤達郎です。今回、皆様に是非知っていただきたく、ご連絡をさせていただきます。
お子様が小さい時には、小児科にかかっていると思います。中心的な小児科医は、合併症の多さなどから開業医の先生のこともあるでしょうし、総合病院の小児科の先生のこともあるでしょう。
何時まで今のままの小児科医が診てくれるのか何となく思われたことはありますでしょうか?
一般的には、何時まで小児科医にお世話になるものでしょうか?実は、明確ではありません。開業医の先生は、ご本人ご家族が良ければそのまま診ましょうかと言ってくださる先生は少なくないかも知れません。しかし、多くの開業医の先生のご年齢は高いのでそこが問題なのかも知れません。総合病院の小児科では、ローテーションで勤務されている先生が少なくないため、主治医の先生が交代されることが多々ありますし、高校になると内科に自動的に移るように言われることも少なくありません。
長くこの分野をやっている立場から話をさせていただくと、とにかく何でも(例えば別領域の診療科の話であっても)話を普通にできて、必要に応じて他科の先生にご相談してもらえる(紹介状を書いていただくなど)主治医の先生を是非見つけておかれることを強くお勧めします。
医師の立場から言うと、患者家族から強く信頼されていると感じると、よりモチベーションが高まると個人的には思います。例えば、自分のところだけで、かたがつくものについてはある意味簡単ですが、他科についての相談をされるとそのハードルは一気に高くなります。手っ取り早いやり方は、「ご家族が最もよいと思われる当該科で相談されたらどうですか?」ということと思います。しかし、初めての病院や初めての先生のところに受診することそのものも難しいこともあるでしょうし、家族にとっても新しい先生と信頼関係を構築するのに難しさを感じることも少なくないということもあると思います。ここを感じ取って紹介状など、方向性を示してくれる主治医の先生には、あたりまえだと思わず感謝の姿勢を示されるとお互いにうまくいくのではと思います。
医師の中では、自分の守備範囲を超えて関わる、ということに躊躇感を強く持たれることはあり得ると思います。今は、コロナウィルス感染症が猛威を振るっています。今後寒くなってくると、コロナウィルス感染症がそのまま残り、インフルエンザ感染症が追加されて、ということも危惧されます。大切なお子様が初めての場所や、上手に対応しないと検査そのものをものすごく拒否したり、コロナであればそれを病院内で広げてしまう結果になるかもしれない恐れを医療サイドが強く感じると診療に慎重になる先生もおられるかも知れません。良かれと思ってやっても感謝されることもないばかりか、逆にもめるようなことがあれば(医療サイドがそんなことがあるかもしれないと誤解されたり思いこまれる事も含みます)なおさら消極的になり、「すみません。診れません」となってしまうことも実際あるように思います。これは、お子様が施設に入所されている場合でも同様のことが言えると思います。何か、大きなこと(意識がない、けいれんしている、顔色が悪いなどなど)があれば、救急車を呼ばれることをお勧めします。救急隊の方が、探してくれると思います。しかし、それがある程度解決したり、命のせめぎあいから少しでも遠ざかったりすると、その後の対応は家族や施設に任されることもありそうです。任されても、また、受けてくれる医療機関を探すのに苦慮することもあり得そうです。
私、近藤の場合も同様です。現在61歳になりました。今のところ、まだ、元気に診療できていますが、それでも70歳くらいまでで一段落になるかも知れません。後9年くらいかもしれません。私のやっていることについてそのまま引き継いでくれる先生は残念ながら見つけることが難しいです。私自身もっと早く体調を壊すかも知れません。多分、私がやっていることは仕事としてできることを超えているからかも知れないと思っています。そのため、私が理解していること、思っていること、助言できることについてはなるべく知っていただきたく、バンビの会の皆様にお知らせをすることをしています。これは、バンビの会の皆様だけでなく医師の先生方にもお伝えするように心がけています。
その時になって、慌てても良い結果を得ることができないと思います。今から、最も命に大事と思われるお子様の医療の整備に時間をかけて検討されることを強くお勧めします。
それぞれの支部で、話し合いなどを進め、その地域の資源の情報共有を進めて、将来、困らないように進めていきましょう。
2020年8月23日
近藤達郎